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2016.05.31 (シャニム55号掲載)

Part 3 事業所の節電/業務用エアコン

「電力小売り全面自由化」がスタート

超省エネ機で電気代を6割削減
節電ルールの自動化でムダも排除

 

最適な電力会社を選んだら、さらに電気代を節約するために必要なことは、オフィスや店舗内の設備や機器の見直しだろう。

特に、空調機器は多くの企業や施設で終日フル稼働する設備だけに、電力消費量も圧倒的。実際、資源エネルギー庁によると、平均的なオフィスビルにおける夏季電力需要の48%を業務用エアコンなどの空調機器が占める(Part 2の図1参照)。これを見直すことで、節電対策として大きな効果が期待できるわけだ。

その第一歩が、最新モデルへの入れ替えである。もちろん、こまめな日々の節電努力で既存設備を使い続ける選択肢もあるが、まずは省エネ機能を満載した最新の業務用エアコンと、使用中の機器を比べてほしい。入れ替えるだけで大幅な節電と快適性を実現できる可能性があるからだ。それだけ最新モデルは、性能が向上している。

 

APF2015対応の優れた省エネ性

業務用エアコンの節電性能は、いかに少ない電力で冷暖できるかに左右されることは周知の通り。最新モデルでは、この冷暖能力の効率が飛躍的に進化している。

というのも、2015年4月から従来よりも省エネ性能の高いトップランナー基準が適用されているからだ。

トップランナーとは、エネルギー消費機器の中で、最も省エネ力に優れた製品(トップランナー)の性能を目標基準に、それよりも上を目指すという考え方である。業務用エアコンでは2010年の省エネ法改正で、2015年度達成目標値が設定された。

新基準の適用に伴い、業務用エアコンの省エネ性能を示す「APF(Annual Performance Factor/通年エネルギー消費効率)」を算出する方法も変更された。もともと、APFは実使用を想定した条件(*1)により測定されてきたが、さらに使用実態に近い算出基準を採用。

これまで、算出のための評価項目は5点だったが、新基準では測定条件を見直した上で最小冷房中温や最小暖房標準といった新評価項目が追加(全8項目に)され、空調負荷や外気温度発生時間などが従来基準よりも、さらに実態に近いものとなった。製品カタログなどでは、従来の基準と区別するため新基準は「APF2015」と表記されるのが一般的だ。

なお、APF2015も従来通り、数値が大きいほどエネルギー効率に優れ省エネ性能が高いことを表す。

業務用エアコンに課された新しい基準値は冷暖容量などにより異なるが、もちろん最新モデルはこれをクリアしているだけでなく、新基準を大きく上回る超省エネ型もラインアップされている。

 

圧倒的な節電能力

新基準に対応した最新モデル、特に超省エネタイプの優れた節電力は必見だ。

業務用エアコンの耐用寿命は、一般的に15年程度といわれる。使用環境や定期メンテナンスの度合いなどにより、経年劣化がどれほど進んでいるかにも左右されるが、この時期を過ぎれば摩耗による故障率が高まるため入れ替えを検討すべきだろう。

現時点でいえば、2000年前後かそれ以前に導入された機器ということになる。当時は、まだ低消費電力型のインバーター機が出始めた頃で、新型モデルといえども主流は定速機だった。その定速機を、最新の超省エネ型モデルに入れ替えた場合に削減可能な年間消費電力量のシミュレーションが図1である。

消費電力を約62%カット、電気代換算で年間3万2800円ものコスト削減につながる試算だ。

さらに、インバーター機とも比較してみよう。市場の業務用エアコンがインバーター技術を採用したモデルにほぼ置き換わった時期は10年ほど前である。最新の超省エネ型は、初期インバーター機と比べても約31%も電力使用量を削減できる省エネ性能を持つ(図2)。

仮に、15年の耐用寿命を迎える前であっても、設備入れ替えにより節電効果が期待できるわけだ。

 

図1 超省エネ型と15年前定速機の年間消費電力比較

18-01

※天井カセット形4方向吹出しタイプP80(3馬力)の場合
※東芝の製品カタログより抜粋

 

図2 超省エネ型と10年前インバーター機の期間消費電力量比較

18-02

※てんかせ4方向と組み合わせた場合
※日立の製品カタログより抜粋

 

節電ルール自動化でムダを削減

冷暖性能だけではない。最新モデルは、日常的な節電努力への取り組みも便利にしてくれる。以前の機種では設定温度の変更や稼働時間のコントロール、風向きの調整などは人的に管理する必要があった。このため消し忘れや冷やし過ぎなど、“うっかり”によるムダが発生していた。

最新モデルには、多彩なセンサー機能により機器が空調環境を賢く制御する様々なインテリジェント(ソフト節電)機能が搭載されている。

これらを活用して、オフィスの節電ルールを自動化することで、うっかりのムダを解消し、さらに消費電力をカットできる。設定は多機能リモコンから操作できるので簡単だ。

実際に搭載されている機能は、メーカーや機種により様々だが、一般的なものでは以下のような機能がある。

例えば、人の活動量、床やデスクなどのふく射温度を検知して風向きや強弱を自動調整する機能は、温度ムラや過冷却などが原因のムダな電力消費をカットできる。

また、デマンドを制御する「ピークカット」や冷暖と送風を繰り返す「間欠運転」、「設定温度範囲制限」といった、ユーザー側の設定に合わせて機器が自動制御する機能は高度化し、曜日や時間帯まで、きめ細かく管理・設定できる。

定した範囲内で快適性を維持しながら、消費電力を抑えられるので確実な節電につながる。

最新モデルには、節電結果をリモコンの大画面パネルでグラフや表などにより視覚的に確認できる機種もあり、節電への取り組みを促す効果も期待できそうだ。

夏の電力需要のピークは目前に迫っている。電力消費の大きい業務用エアコンの入れ替えを検討して、電気代削減効果を最大限にいかしてほしい。

 

 

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