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2016.05.31 (シャニム55号掲載)

Part 1 新規電力会社への切り替え 1

「電力小売り全面自由化」がスタート

まずは自らの使用状況を把握

新規電力会社の選定は慎重に!

 

切り替えコスト負担は皆無

PART1では電力の小売り全面自由化に伴う「電力会社の切り替え」について見てみよう。

新規電力会社への切り替えは、既存電力会社との契約名義が本人でありさえすれば原則、誰でも可能だ。一般家庭でも小規模事業所でも、また持ち家でも賃貸でも切り替えられる。切り替える際に、工事費や手数料などは発生せず、スマートメーター(詳細は下記参照)への交換もユーザーの費用負担はない。

ただし一般には、新規電力会社への切り替えに関する懸念材料として倒産リスクがあげられている。これについては心配無用だ。仮に新規電力会社が倒産した場合でも、ユーザーへの電力供給が停止されることはなく、各地域の既存電力会社から電力が供給される。

また停電への懸念もあるようだが、新規電力会社は既存電力会社と同じ電力網を使っているため、停電が頻発したり電力が不安定になることはない。その意味で新規電力会社への切り替えは、基本的にはユーザーの負担がなく、メリットのみを享受できる制度といえる。

もちろん新規電力会社へ切り替えずに、既存の電力会社との契約を継続することも可能だ。例えば月間使用量がそれほど多くないユーザーにとっては(200kWh/月以下程度)、切り替えがデメリットになるケースもあるという。既存契約を継続する場合、ユーザーからの意思表示は不要。これまで通りに電力を使い続けるだけで自動的に契約継続となる。

また、オール電化住宅に住んでいるケースも注意すべきだろう。既存電力会社はオール電化向けの割安なプランを用意しており、これで契約している場合、新規電力会社への切り替えよりも割安になるようだ。オール電化プランを用意している新規電力会社が、まだ少ないからである。

このように新規電力会社への切り替えは、現状ではすべてのユーザーにメリットがあるわけではない。それだけに電力使用状況や契約状況を把握した上で、新規電力会社が展開している各種料金シミュレーションサービス(後述)を活用。慎重に比較検討することが重要といえる。

 

スマートメーターとは?

 電力の使用状況等を記録するデジタル方式のメーター。情報通信機能を搭載しており、従来のような検針員の個別計測が不要だ。ユーザーも自らの使用状況をパソコンやタブレットなどで確認可能となる。

 従来のアナログメーターでは1カ月単位でしか把握できなかった電力使用量が30分単位になるなど、より詳細なデータを抽出できる。またHEMSとも連動できるため、家庭内での積極的な節電なども実現する。

 2020年頃までにすべての電力ユーザーへの設置(アナログメーターからの置き換え)が目標とされている。新規電力会社への切り替えの有無とは関係なく、すべてのユーザーの交換工事は無料で行われる。

 現状では新規電力会社へ切り替えるユーザーを優先した交換作業が進められている。

 

月次の検針票の読み方

新規電力会社への切り替えはWEBを通じた申し込みが主流だ。大半の会社が自社サイトに申し込みフォームを用意しており、必要事項を記入するだけで申し込みが完了する。その際、既存電力会社への解約申し込み等は必要なく、こうした事務作業は新規契約する電力会社が代行することになっている。

切り替えに当たってまず重要なことは、現状の電力契約の内容を把握することだ。これを基にすることで初めて、どの新規電力会社への切り替えが最もメリットが大きいのかが分かる。現状の契約内容によっては、新規電力会社への切り替えが割高となるケースもあるだけに、非常に重要なポイントである。

既存電力会社との契約状況を把握するには、電力会社から月次で送られてくる検針票(図1)が必要となる。ここには契約内容や切り替え申し込みに必要な各種の番号等がすべて記載されている。

まず①ご契約種別を見てほしい。これは現状の基本料金プランで、(電力会社によって表現は異なるが)東京電力の場合、一般家庭なら「従量電灯B」、小規模事業所なら「従量電灯C」との記載が大半だろう。

Bは契約アンペア(※1)が10Aから60Aまでのプランであり、Cは6kVA(※2)以上のプランだ。そしてプラン内容を示しているのが②ご契約である。この数字が大きいほど、同時に使える電気機器が増え、基本料金(固定)が高くなる。

この基本料金に加えて、③の電力量料金(従量)をプラスした金額が、当該月の電気料金になる(実際には燃料費調整や再エネ発電賦課金で調整される)。

電力量料金は実際に使った1kWhごとの電力量にかかる料金で、3段階料金制度が採用されている。これは電気の使用量に応じて、料金単価に格差をつけた制度のこと。

第1段料金はナショナル・ミニマム(国が保障すべき最低生活水準)の考え方に基づく低料金設定で1kWh当たり19円43銭。月間使用量120kWhまでに適用される。第2段料金は標準的な家庭での電力使用を想定した平均的な価格設定で、1kWh当たり25円91銭。これは120kWh~300kWhまでの使用量に適用されている。

そして月間使用量が300kWhを超えた分に適用される第3段料金は、1kWh当たり29円93銭と割高な設定だ。これは省エネルギーを奨励するための価格設定といえ、既存電力会社の料金設定は現状、月間使用量が少ないほど割安になっている。

 

図1 月次検針票の読み方

12-01s

 

 

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