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2016.05.31 (シャニム55号掲載)

商品研究1 ビジネスプリンター

 

クラウドサービスとの連携で
情報共有の仕組み構築が簡単に!

 

  • モバイル端末からのワイヤレス印刷は当たり前。出先からのプリントも可能
  • 汎用規格やメーカー専用アプリなど、インターフェイスは様々
  • メーカーのクラウドサーバーを介して提供される多彩なスキャン機能
  • 受信ファクスの共有やセルフメンテナンスのサポートも実現

 

複合機やプリンターの機能が進化している。特に、スマートフォン(以下、スマホ)やタブレットなどのモバイル端末と、クラウド(ネットワーク上でストレージやソフトウエアなどのサービスを提供する仕組み)との連携は、ドキュメント活用の利便性を大きく向上してくれる。

そこで、今回は最新モデルで実現されている様々なモバイル&クラウド関連の機能を紹介すると共に、活用ポイントなどを解説していきたい。

 

社内外から自由にプリント

まず、プリントだ。モバイル&クラウド機能を備えたモデルでは、スマホやタブレット端末内に保存した資料のワイヤレスプリントや、ネットワークに接続できる環境であれば、社外からの印刷もできる。営業先などでスマホにより撮影した資料を、その場で印刷ジョブをかけてオフィスの複合機やプリンターで出力するといった使い方が可能だ。

ただし、機能や使い勝手は対応する規格やサービス(表1参照)により異なるため、用途や環境に合わせて使い分けることも必要だろう。

例えば、「Air Print」や「Googleクラウドプリント」は多くの機種が対応する汎用的な規格だ。前者はiOSが持つ基本機能で、iPadやiPhoneユーザーなら特別な設定も必要なく、簡単に利用できる。だが、同じWi-Fiネットワーク上にある複合機やプリンターが基本となるので、社外などからの印刷は難しい。

Googleクラウドプリントは多少の設定は必要だが、OSに限定されることなく、同規格対応のアプリケーションソフト(以下、アプリ)を使い様々な端末からワイヤレスでプリントできる。ネット接続されていれば、外出先からの印刷も可能だ。

もっと便利に活用したい場合、メーカーが自社モデル向けに提供している無償アプリを使うとよい。社内のローカルネットワーク上はもちろん、ネット環境下であれば、メーカーのクラウドサーバーを介して外出先からも印刷できる。

単にプリントできるだけでなく、付加機能も魅力で、キヤノンやエプソンなどのアプリはモバイル端末で撮影して台形状に歪んだ画像を補正する機能を持つ。これを利用することで新聞や雑誌の記事、板書などを読みやすくプリントすることが可能だ。

後述するスキャナーとモバイル端末との連携ではメーカー専用アプリが必要となるので、それを活用したいという場合はプリントでも、メーカー専用アプリを使う方が便利といえるだろう。

また、オフィスの狭い範囲に限定されるが、無線LANアクセスポイントがない環境でも、モバイル端末とプリンターを接続してワイヤレスで印刷することもできる。

搭載モデルの多い規格は「Wi-Fi Direct」だが、iOSは規格対象外。このため、キヤノンなどは最新モデルに独自機能を採用し幅広い端末をサポートしている。端末をかざすことでプリントなどが可能となるNFC対応モデルも徐々に増えており、今後に注目したい規格だ。

 

スキャン&コピーが快適に

クラウドにより利便性が大きく向上したのが、スキャナー関連の機能といえる。

例えば、読み取ったデータをメーカーのクラウドサーバー経由で離れた場所にある別のプリンターから出力したり、事前に登録したDropboxやEvernoteといったオンラインストレージサービスにアップロード(一般的に「スキャンtoクラウド」という)したりできる。クラウドに保存することで、モバイル端末などからネット経由で共有が可能となる。

これまでも、スキャンto FTPによりファイルサーバーへスキャンデータを転送。外部から同サーバーへアクセスして共有できたが、システム構築や設定が面倒だった。複合機とクラウドが連携したことで、こうした仕組み作りが簡単にできるようになったわけだ。

前述したように、クラウドはネットワーク上のサーバーでサービスを提供する仕組みを持つため、機能も多様化している。特徴的なものでは、ブラザー機搭載の「スキャンto Office文書」「手書きトリミングスキャン&コピー」「A3半折りスキャン」、エプソンの「メールプリント」など。

A3半折りスキャンはA4複合機に搭載された機能で、半分に折ったA3原稿の両面を読み取りクラウドサーバー上で1つのデータに結合。A3サイズの原稿としてクラウドへの保存やコピーができる。キヤノンの最新モデルなども、同じような機能を持つ。

 

保守サポートもクラウド連携

ファクスや機器メンテナンスなどでもクラウドとの連携が進む。「ファクスクラウド転送」機能をブラザーが最新モデルに搭載しており、オンラインストレージサービスに受信データを自動転送することでファクス情報の共有を可能としている。

機器のメンテナンスやサポートにクラウドを導入しているのは、OKIデータだ。

「クラウドメンテナンスプラットフォーム」という新サービスで、同社のクラウドサーバーに複合機を接続することにより、オフィスでのセルフメンテナンスをサポート。トラブル内容をオペレーターと共有し、確実かつスピーディーな問題解決につながる仕組みが実現されている。

モバイル端末やクラウド技術をベースとした多彩な機能により、ドキュメント活用の利便性が高まることは間違いない。ぜひ、注目してほしい。

 

図 モバイル&クラウド機能が実現するドキュメント活用のイメージ

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表1 モバイル&クラウド機能を利用するための主な接続規格やアプリ、サービスなど

技術/規格など 概要
Wi-Fiネットワークに接続して利用する規格など
メーカー専用
アプリ
各メーカーが自社モデル向けに用意しているアプリ。印刷はもちろん、複合機ならスキャンデータの取り込みなど、様々な付加機能を持つものが多い(表2も参照)
AirPrint iOS向けのプリントテクノロジーのこと。同じWi-Fiネットワークに接続されたAirPrint対応モデルであれば、iPhone/iPadシリーズ/iPod touchなどからワイヤレスプリントすることが可能となる
Googleクラウド
プリント
複合機やプリンターとネットをつなぐ技術のこと。ネット環境下であれば場所を問わず様々な端末から、Google DocsやGmailなど同規格対応のアプリ経由でワイヤレス印刷を可能とする。様々な機能を備えており、幅広い使い方ができるサービスだ
アクセスポイントがなくとも利用可能な規格など
Wi-Fi Direct 無線LANルーターがなくとも、機器の無線接続を可能とする規格。モバイル端末とプリンターや複合機の双方がWi-Fi Directに対応していれば、ワイヤレス印刷が可能となる。iOSは同規格に対応していない
アクセスポイント
モード
キヤノンの最新モデルに搭載されている独自機能。無線LANルーターがなくとも、モバイル端末からワイヤレス印刷が可能。iOSにも対応している
NFC 「Near Field Communication」の略で、近距離無線通信技術のこと。NFC対応の複合機やプリンターに、同規格に対応した端末をかざすことで、無線LAN環境がなくとも端末内資料のプリントなどが可能となる

 

表2 メーカー各社の特長的なモバイル&クラウド関連機能の概要

機能/サービス 概要
ブラザー
Brother iPrint & Scan 無償のブラザー専用アプリ。iOSやAndroid搭載の端末から写真やドキュメント、Webページをプリントでき、スキャンデータをモバイル端末に取り込むことなども可能
ファクスクラウド転送 受信ファクスを事前に登録したDropboxやEvernoteなどのオンラインストレージサービスへ、ブラザーのクラウドサーバーを経由して転送・保存。同時に、オフィスの複合機でも通常通り、受信内容を紙として出力できる

スキャン
to Office文書

紙の資料をスキャンしてOffice(Word/Excel/PowerPoint)データに変換できる機能。文書はOCRでテキストに、オブジェクトはJPEGデータとして編集できるようになる
手書きトリミング
スキャン&コピー
資料の必要な部分だけを赤ペンで囲むと、指定した範囲の要素だけをスキャンやコピーできる
キヤノン
Canon PRINT
Business
無償のキヤノン専用アプリ。モバイル端末でのプリントやスキャンデータの取り込み、端末内に保存したファイル管理やメール送信、ファイルの補正など多彩な機能を持つ
MF Scan Utility 同社独自のスキャンソフト。様々なスキャン機能を備えており、読み取ったデータはDropboxやEvernoteのクラウドストレージへアップロードして、保存・共有することが可能
エプソン
Epson iPrint 無償のエプソン専用アプリ。iOSやAndroid搭載の端末からローカルネットワーク上のプリンターに加え、クラウド上のEpson Connectサーバー経由で出先からも印刷可能。カメラコピーなど、便利な機能も備えている
メールプリント 端末などから「Epson Connect」に登録した複合機やプリンターにメールを送信して、本文や添付ファイルを印刷できる。「メールプリント プレミアム」など、ビジネスでの本格利用を想定した有償メニューも用意
スキャン to クラウド スキャンしたデータをEpson Connectサーバー経由で、モバイル端末やPCへのEメール送信、オンラインストレージサービスへのアップロードに加え、他のEpson Connect対応プリンターで印刷できる
OKIデータ
クラウドメンテナンス
プラットフォーム
オフィスでのセルフメンテナンスをサポートするOKIデータ独自の新サービス。クラウドに接続した複合機についてアプリでの最適な対処方法の表示(クラウドガイダンス)や、オペレーターのクラウド経由による適切なメンテナンス方法のサポート(リモートメンテナンスサポート)などのサービスが提供される

 

 

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