ビジネスに役立つ情報サイト。 ヤマダ電機法人営業部と連動し、中小企業に役立つ経営情報やIT情報を発信します。

RSSfeed

2014.11.30 (シャニム49号掲載)

商品研究2 ビジネスプリンター

 

徹底比較! インクジェット&レーザー
印刷スピード、印字品質、コスト、etc.

 

  • 印刷スピード比較。連続印刷はレーザー、ファーストプリントはビジネスインクジェットが得意
  • 主観に左右される印字品質。黒文字のシャープさではレーザー機か
  • ランニングコストは、ビジネスインクジェットにアドバンテージ
  • 耐久性ではレーザー、搭載機能ではビジネスインクジェットがやや有利

 

 これまでビジネスプリンターといえば、レーザー(本稿ではLED方式も含めた総称として使う)が中心だったが、ここ数年でインクジェット機がビジネス向けに大きく進化。選択の幅が広がり、業務用途ごとに異なるニーズにフィットするモデルが見つかる可能性が高まった。

 とはいえ、最適モデルを選ぶには両方式の違いなどを知ることが不可欠だ。そこで、今回は最新のレーザー機とビジネスインクジェット機(以下、BIJ)について、それぞれの特長を徹底比較してみる。

 具体的には①印刷スピード、②印字品質、③ランニングコスト、④耐久性、⑤搭載機能──この5つ。いずれも機種選びで役立つポイントなので、読後はぜひ参考にしてほしい。

 

ビジネスインクジェットのモデル数が増えたことにより、
ビジネスプリンターのラインアップ充実度はかなりのもの。
ヤマダ電機では、多くのモデルを見ることが可能だ

 

印刷スピード

 まず、①印刷スピードには「連続印刷速度」と「ファーストプリントタイム」の視点がある。

 連続印刷速度は、周知のように1分間当たりにプリント可能な枚数のこと。結論からいうと、大量印刷の機会が多い用途で高速性重視ならレーザーが向く。

 実際、カタログなどのスペックを見比べるとレーザー機に高速モデルが多い。また、印刷速度の算出基準が両方式で異なる(*1)ため、単純比較はできないが、「カタログ上の連続印刷速度がほぼ同じ場合、レーザーはビジネスインクジェットよりも2割ほど速い」(メーカー関係者)という。

 これは、機構的な違いに起因するものだ。基本的に、レーザーは感光ドラムの回転により印字されるため用紙もスムーズに搬送される。これに対して、BIJはプリントヘッドを左右に可動させながら印刷するため、1枚当たりの出力でレーザーよりも若干の時間を要する。

 印刷枚数が増えるほど、この差が大きくなるため、大量印刷ではレーザーが有利というわけだ。

 ただし、BIJは発展途上。「プリントヘッドの機構改良により、まだまだ高速化は可能」(同前)など、大きな可能性を持つ。例えば、A4ページ幅を一気に印刷する技術により毎分70枚の出力を実現した高速モデルも登場している。

 一方、ファーストプリントタイムは少数枚を頻繁に印刷する用途で重視されるポイントで、印刷指示をかけてから最初の1枚目が出力されるまでの時間だ。

 この点では、BIJが有利といえる。同方式はファーストプリントタイムそのものが短いことに加えて、ウォームアップ(スリープモードからの復帰時間)がほぼ不要。仮にファーストプリントが7秒であれば、印刷ジョブをかけてから1枚目の出力には7秒しかかからない。

 レーザー機は熱により印字を定着させるという機構上、ウォームアップが必要なため、1枚目の出力までにはファーストプリントタイムとウォームアップを合算した時間がかかってくる。

 「機種にもよるが、同等クラスのレーザー機と比べた場合、5枚程度までならビジネスインクジェットの方が速い」(同前)。業務上で多頻度少数枚プリントを重視するなら、同方式を検討したいところだ。

 

印字品質

 次に、②印字品質だ。レーザー方式については、ビジネス品質として申し分ないことはいうまでもない。普通紙はもちろん、コート紙(表面上に光沢処理を施したもの)などに対応する機種も増え、作成できる印刷物の幅も広がっている。

 この点、BIJも同様だ。従来、インクジェット機は普通紙に印字されたインクがにじむといった理由から敬遠されていた。だが、ビジネス向けに顔料系インクが採用されるようになったことで課題も解決され、ビジネス向けに申し分ない品質が実現されている。ただし、両方式でプリントした印刷物を見比べると、黒文字のシャープさなどの点でレーザー機がやや優れる印象だ。

 また、印字品質の点でBIJの利点は、保存性や用紙対応力が高いこと。顔料系インクは耐候性などに優れるため、経年劣化の影響が少なく数十年の保存にも耐えられる。

 さらに、熱を使わないので光沢紙やフォト紙など様々な用紙にプリントすることができる。

 

ランニングコスト

 ビジネスプリンターの③ランニングコストに影響するのは、「印刷コスト」と「消費電力」だ。

 これらの点では、BIJに大きなアドバンテージがある。最近、インクジェット方式が注目されている最大の理由も運用コストが抑えられることである。

 印刷コストに関して、モノクロプリントでは両方式ともそれほどの差はないが、カラー印刷ではBIJのインクコストはレーザーの半分程度。機種のグレードによっては、3分の1ほども経済的だ。一般的に装置寿命とされる5年間でプリントするボリュームを考えると、コスト差はかなり大きいといえるだろう。

 消費電力では、レーザーもBIJも省エネ化が進んでいることは事実だ。特に、スリープモード時の電力では両方式とも、ほぼ同じといえる。だが、プリンターは稼働時と待機時の消費電力が大きく変動する特性上、この点で両方式に差が生まれてくる。

 前述したように、レーザー機はトナーの定着に熱を必要とするため、プリント時で500W前後、ウォームアップ時には1000W近い消費電力を要する。これに対して、熱を使わないという機構上の優位性からBIJは、ウォームアップがほとんど必要なく、印刷時でも必要な電力は数十Wと低いため、トータルの消費電力を抑えられるわけだ。

 

耐久性&搭載機能

 ④耐久性は印刷ボリュームが多い用途では大事な指標となる。この点では、やはりレーザー機が優位といえるだろう。「ビジネス用途を意識して耐久性を追求してきたレーザー機に対して、コンシューマー向けから進化してきたインクジェット機は、材質や機構的に改良段階にある」(メーカー関係者)からだ。

 実際、カタログスペックを見ても同等クラスの比較では、総じてレーザー機の耐久枚数が高い。

 例えば、両方式の高耐久モデルで耐久枚数を比べてみると、BIJの30万枚に対してレーザー機は倍の60万枚。5年間の利用を想定した場合、BIJは月に約5000枚を出力でき、単純にいうとこれを分岐点に、いずれの方式が業務用途に適しているかが分かれることになる。

 また、スマートフォンやタブレット対応、メモリースロットといった⑤搭載機能では、BIJがやや多機能な傾向にある。これはインクジェットがコンシューマー向けから展開されてきたことが、背景にある。

 レーザー機のスタンダードやローエンドクラスでもWi-Fi搭載モデルは増えているが、一歩踏み込んで「Wi-Fiダイレクト」など詳細機能ではBIJが進んでいるなど、両方式で機能差が見受けられる。

 以上、それぞれの特性を理解して業務に適したモデルを選びたい。
 

  レーザー ビジネスインクジェット
印刷スピード 機構上、連続印刷に強み。大量の資料をスピーディーに出力したいニーズに適している ウォームアップが不要なので、最初の1枚目が速い。少数枚多頻度プリントに強み
印字品質 普通紙印刷に強み。特に、黒文字のシャープさが魅力 普通紙からフォト専用紙まで、幅広い用紙に対応。普通紙への印字品質も大きく改善されている
ランニング
コスト
トナー定着に熱を使うため、稼働時やウォームアップ時に電力消費量が大きくなる 印刷コスト、消費電力ともインクジェット方式の特性上、大幅に抑えることができる
耐久性 耐久性は申し分なし。大量印刷やフル稼働にも対応する信頼性を持つ 発展途上。スペック的には、プリント耐久枚数はレーザーの半分程度
搭載機能 無線LANを標準装備する機種が増加しているが、スマートフォン&タブレット連携などは発展中 無線LAN標準装備で、モバイル連携も完全対応機が多い。コンシューマー向けから発展した経緯から多機能が特長

 

 

 

<<前へ  | 次へ>>

記事一覧に戻る