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2014.05.31 (シャニム47号掲載)

ビジネスプリンター&複合機

「環境性能」をチェックして電力消費とコストを削減

一般事務所での使用を想定
最重要な省エネ指標「TEC値」

 

総合的な省エネ性とは、機器自体の節電能力
利用環境ごとの省エネ性を意識して電力削減効果をアップ
自動両面出力と割付機能で用紙消費量を大幅削減
トナー/インク消費量の削減はランニングコストを抑制

 

 ビジネスプリンターや複合機における環境性能とは、省エネ(電力消費量の削減)や消耗品利用のムダをなくすことにより環境負荷を軽減する能力のことだ。いずれも環境にやさしいというだけでなく、ドキュメント活用に伴うコスト削減にもつながるだけに、機種選びや使いこなしの重要なポイントといえる。

 

総合的な省エネ性

 まず、総合的な省エネ性とは機器自体の節電性能であり、この能力に優れたプリンターや複合機を導入するだけで電力消費を抑制できる。

 これを知るためのカタログスペックが、「国際エネルギースタープログラム」により策定された省エネ指標であるTEC値だ。開示義務がないのでカタログに必ず記載されているわけではないが、デジタル機器への環境性能に対する需要の高まりを背景に表記するメーカーが増えた。

 同数値は、「kWh(キロワットアワー/時間当たりの消費電力量)」を単位としており、TEC値0.4kWhといった場合は1時間の電力消費量が0.4kWであることを意味する。この数値が低いほど消費電力が少なく省エネ性能が高い。

 しかも、TEC値は一般的なオフィスでの利用実態に近い使い方を想定した数値なので、機器の消費電力だけで判断するよりも参考になる。

 詳細は省くが、算出規定では1週間のうち業務が行われる平日5日間はプリンターを使った状態(稼働とスリープや電源オフが繰り返される)、土日の2日間についてはほぼ未使用状態としている。この条件で1週間使用した総電力消費量を、時間当たりに換算したのがTEC値というわけだ。

 TEC値が一定基準を満たすと判断された製品には、省エネ性に優れた機器として「国際エネルギースターロゴ」の使用を許可されるが、2009年に適合基準が引き上げられた。デジタル機器では同ロゴの使用は省エネ性能を示す必須の要件だけに、これを機にさらに省電力化が進んでいる。

 今年、基準引き上げの端境期にあった製品がリプレイスを検討すべき時期(製品寿命は5年間)を迎えているが、前述のような背景から最新モデルに買い替えるだけで電力カットが期待できる。

 なお、TEC値と同じように省エネ性の総合力を知る指標にエネルギー消費効率がある。こちらをカタログに掲載しているモデルもあるので、TEC値がない場合はエネルギー消費効率を参考にするとよいだろう。

 TEC値と共にチェックしておきたいスペックが、待機(スタンバイ)時消費電力スリープ時消費電力である。ドキュメント機器は常に使い続けるというよりは、出力ボリュームがよほど多くない限り、ジョブ待ちの時間が圧倒的に長い。このため、待機状態でどれだけ消費電力を抑えられるかが節電につながるからだ。

 また、導入時に確認したいのが最大消費電力。これが大きいと電力環境に余裕を持たせるため、契約アンペアの見直しが必要になることもある。特に、A3レーザー機を導入する場合などは念のため確認したい。


TEC値が適合基準を満たした優れた機器であることが認められた場合に、
使用が許可されるロゴマーク。カタログや本体などに表記されている

 

 

利用環境ごとの省エネ性

 前述の総合的な省エネ性は、いわば標準的な利用スタイルには適しているが、状況によっては利用環境ごとの視点で捉えることも欠かせない。

例えば、1度の印刷やコピーで大量出力することが多い場合は、動作時消費電力が確認すべき要素となる。同時に、電力消費量が高い動作時間を短くできる機能や使い方の工夫もポイントである。例えば、1枚の用紙に複数ページを集約できる割付プリントや割付コピーは出力時間の短縮が可能だ。ほぼ標準機能として搭載されているので上手く活用したい。

 数枚程度を頻繁に印刷やコピーする多頻度少数出力の用途では、待機時消費電力が重要。生産性を維持しながら電力消費を抑えるには、すぐに出力が可能なスタンバイ状態にしておく必要があるからだ。

 とはいえ、多頻度といえども常にジョブが集中するわけではない。時間帯によっては、待ちが長い時間帯もあるだろう。そこで活用したいのが、待機状態が一定時間続くと自動で節電モードに切り替わるオートスリープ機能だ。頻繁に利用する時間帯は移行時間を長くして生産性を優先し、使う機会が少ない時間帯には最短に設定してムダな電力消費を削減するといった工夫ができる。

 なお、出力ボリュームが少ない利用環境では圧倒的にジョブ待ちの時間が長い。このため、スリープ時消費電力が低いことや使用後すぐに節電状態へ切り替えが可能な節電ボタンなどがモデル選びや活用のポイントとなる。

 

用紙消費量を大幅削減

 環境負荷の軽減には、用紙消費量の削減は大事な取り組みだ。これを実現する機能として、自動両面プリント自動両面コピーが大きな役割を果たすことは周知の通り。

 同機能を搭載したモデルで両面出力するだけで、用紙の使用量は半減する。さらに、前述した割付プリント/コピーを併用すれば、消費量を4分の1や8分の1にまで削減することが可能だ。社内外それぞれの用途で、上手く使い分けることがポイントだ。

 これらに加えて、コピーでは免許証などIDカードの両面を1枚の用紙の片面に複写できる機能や、1枚しかない原稿を1枚の用紙に複数面コピーできる機能なども、用紙消費を抑える上では効果的だ。窓口業務や小売店舗などの導入ではチェックしたい。

 また、ファクスではPC-FAX送受信機能だ。送受信ともパソコンの画面で内容を確認でき、受信時は必要な場合のみ出力すればよいので、用紙のムダ使いをカットできる。

 

トナー/インク消費量の削減

 プリンターや複合機で、トナーやインクの消費量は環境負荷だけでなく、ランニングコストにも大きく影響する。

 その使用量を削減することは、環境とコストの双方にやさしい取り組みといえる。実現にはスキャン機能による書類の電子化もそうだが、出力が必要な場合に有効な機能がトナーセーブインク節約モードだ。

 これら機能の活用により、トナーやインクの消費量を大幅に削減できる。出力した原稿の濃淡は薄くなるが、実用上まったく問題はない。ただし、見栄えやインパクトに欠ける可能性もあるので、社内向けでの利用に限定し、社外向けには通常出力するのが賢い使い方だろう。
 

ビジネスプリンター&複合機の環境性能を知るための主なカタログスペック等

 

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