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2013.05.31 (シャニム43号掲載)

世界のブランド 「ヤマダ」に集結! 3


太陽光発電トップインタビュー

日本の“エネルギー独立”を徹底支援

 

北米のエンジニア集団
カナディアン・ソーラー
カナダ・オンタリオ州

 

CanadianSolar/Shawn Qu CEO
ショーン・クー CEO

 

 

聞き手征矢野毅彦(シャニム編集長)
写真深田勉

 

 ── まず、お生まれになった環境や学生時代に専攻された学問分野などからお聞かせください。

ショーン 北京で生まれました。両親共に大学教授でしたので、大学のキャンパスで育ちました。ですから勉強しか知りませんでした。

大学では物理学を学びました。1987年に清華大学を卒業し、カナダに渡って物理学の修士号と博士号を取得。そしてオンタリオ州の州営電力会社オンタリオ・ハイドロ社に入社し、太陽電池関連の仕事をスタートしました。この間、3年ほどフランスでも働いたこともあります。

そして、2001年にカナディアン・ソーラーを立ち上げました。太陽電池関連のビジネスには、これまでに約17年ほど携わり続けています。

── 社会に出てから、ずっと研究開発をされてきたのですか。

ショーン オンタリオ・ハイドロ社に入社した1年目はR&Dの仕事だったのですが、それ以後はビジネス関係の仕事が多かったです。プロジェクトの売買や事業戦略の立案など、そういった仕事をしてきました。

 

アウディ、VWが認めた高品質

── カナディアン・ソーラーを設立された理由をお願いします。

ショーン 理由の一つはカナダ政府、そしてカナダの人たちが、環境を守ることに対して、非常に強い意識を持っていることです。環境を守りたいと強く考えており、私もその考え方に共鳴しました。しかも、2001年というのは、まさにソーラーにとって時代の幕開けではないか、という年でした。そこで会社を立ち上げたのです。

── 御社が脚光を浴びたのは、ドイツの自動車メーカーに相次いで採用されたからだと聞いています。

ショーン 確かに初期のお客様はフォルクスワーゲン様やアウディ様などです。当社はアウディやフォルクスワーゲンから、最初に認めていただくことができた太陽電池サプライヤーです。そして、サポートへの強い要請があり、それにきちんとお応えしたことで、PTCレーティング(※)で最高評価を獲得できました。
これがきっかけでドイツの方たち、そしてヨーロッパの方々から、私たちの製品を高く評価していただくことができるようになりました。

── カナディアン・ソーラーは世界で第3位の太陽光発電モジュール・メーカーです。これを実現した一番の強みはどこにあるのでしょう。

ショーン 一番はいわゆるトラックレコード(実績)で証明したことですけれども、優れた商品クオリティーを持っていること。そして、カスタマーサポートをきちんと行なっていることです。ドイツの自動車メーカーからは、製品の信頼性確保のために厳しい要求がありました。ISOなどのスタンダードだけではなく、自動車メーカーならではの一段と厳しいものでした。

これに対応できるサービスサポートチームをきちんと持っていることが、我われのナンバーワンプライオリティーです。ヨーロッパのサービスチームは60人以上のスタッフで構成しており、ミュンヘンを中心に展開しています。アメリカとカナダにも同様のチームを設けています。

日本に対しても同じ考え方で、強固なサービスチームを確立しています。その上で、新しい製品をどんどん作り続けていきます。特に変換効率に優れた太陽電池を作り続けていこうと考えています。強い製品と充実したカスタマーサポート。この二つが両輪だと思っています。

── カナディアン・ソーラーで素晴らしいと思ったのは、二重保証です。通常のメーカー保証に加えて保険会社による保証も付帯させています。これはユーザーにとって大きな安心につながると思います。

ショーン ありがとうございます。私たちはお客様に安心して長くお使いいただくことが、何よりも重要だと考えています。二重保証はそのことを実践するための、一つの証だとご理解いただければと思います。


イタリア:70MWp(2010年11月)
 

 

新製品「BLACK X」の特長

── 新製品「BLACK X」シリーズについてお聞きします。ここで採用した新技術「ELPS(エルプス)バックコンタクト技術」には、どんな特長があるのでしょうか。

ショーン 従来の結晶系モジュールは構造上、モジュール表面にバスバー(太陽電池セルの発電素子で作った電気を流す電極)を配置していますが、これが影となり発電ロス原因の一つとなっていました。バックコンタクト技術はバスバーをパネル裏面に配置するため、セル全面が太陽光を受光でき、発電効率が上げられます。BLACK Xの変換効率は約7%(従来品比)アップしました。

── バックコンタクト・モジュールは、すでにいくつかのメーカーが商品化しています。それらとの一番の違いはどこでしょうか。

ショーン 最も大きな違いは、他社製品と比べてBLACK Xは、低コストで製造できることです。従来の製造設備をベースに、少し加工を加えただけで生産できます。ですから、安定的な供給も可能です。

例えばヤマダ電機さんでBLACK Xが飛ぶように売れて、「もっとキャパシティーを上げてくれ」と要請されたとしましょう。これに対して我われは、即座に対応できます。BLACK Xはキャパシティーの対応、生産量の対応という意味で、他社のものと比べて格段に対応力があると自負しています。

── 結晶系モジュールは、1枚でも影になるとシステム全体の出力が低下する傾向にあります。ELPSは、その課題をカバーする技術かな、とも思ったのですが……。

ショーン 確かに影の影響を最小限に止める技術は取り入れています。もっとも、セルが完全に影で覆い隠されてしまうと、残念ながらBLACK Xといえども、現状では他社製品と同じような現象が起きます。

やはり、太陽電池は基本的に影のできない場所に設置しないといけません。そこは同じです。

── ショーンさんは日本の電機メーカーの技術を高く評価しており、個人的にも日本製品がお好きと聞いたのですが、本当でしょうか。

ショーン 確かにパナソニックさん、シャープさん、東芝さん、ソニーさん、非常にすばらしい会社だと思っており、尊敬しております。

ただし、大きな違いは、私は太陽光発電の会社のCEOであって、太陽光事業に専念できることです。だから、彼らとはちょっと違うな、とも感じています。私にとってありがたいことは、太陽光の事業に専念できることです。

── 最後に日本のユーザーへのメッセージをお願いします。

ショーン 日本は再生可能エネルギーについて、リーダー的な存在になってきたと思います。当社はできる限り、これをサポートさせていただきます。太陽光発電のオーナーの方々が再生可能エネルギーを利用することで、究極的には日本がエネルギー独立できるような方向に進んでいただきたいと思っています。

── エネルギー独立とは、原油や原子力だけに依存しないという意味ですか。

ショーン そうです。そのサポートをしていきたいと考えています。そしてお客様の信頼を、とにかく勝ち得たいと考えています。   (敬称略)

※)数値が高いほど投資利益率が高いことを意味する太陽光発電システム評価指標の一つ。
 

 

 

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