2012.11.30 (シャニム41号掲載)
商品研究2 プロジェクター
モデル選びの第1歩は「用途の明確化」
見落とされがちな静音性能のチェック
●データ用は「画面の明るさ」「投写距離」「可搬性」重視の設計
●「色や階調の表現力」や「解像度」「コントラスト」などを重視するホーム用
●光源はUHEランプが主流だが、LEDやハイブリッドなども登場し、より長寿命に!
●データ用でもホーム用でも「静音性能」のチェックは重要
データ用とホーム用
プロジェクターにはデータ用とホーム用(シアター用)の2タイプがある。データ用は主にオフィスや会議場、ミーティングやプレゼンテーションなどの用途に適しており、ホーム用は主に家庭での映像鑑賞などに適したモデルだ。どちらも基本的な構造には大差はないが、用途に応じた特性に大きな違いがある。
データ用は一般に、「画面の明るさ」や「投写距離」、「画面サイズ」や「操作性」、「可搬性」などを重視した設計がなされている。これに対してホーム用は「色や階調の表現力」や「解像度」、「コントラスト」や「静音性」などに重点を置いたモデルが多くなっている。
最近では「シネマモード」などを搭載したデータプロジェクターも発売されており、公私での使用にも対応可能となっている。いずれにしてもプロジェクター選びでは、メイン用途を明確にすることがファーストステップである。
プロジェクターの基本性能としてチェックすべきは「光源」だ。基本的にはUHEランプ(超高圧水銀灯)が主流である。蛍光灯などに比べて効率に優れ、低消費電力化や小型化などを実現している。
だが最近ではNECやカシオから、LED光源やハイブリッド光源(LED&レーザー光)などの新光源を搭載したモデルが発売されている。光源の超寿命化(約2万時間。UHEは数千時間)や低消費電力、水銀フリーなどの面で脚光を浴びており、今後、搭載モデルの拡大が予測されている。
また、「画像表示パネル」も重要だ。主流は「3板式透過液晶(3LCD)」と単板反射DMD(DLP)」の2つ。一般に3LCDは滑らかで目に優しい画像が特長とされ、DLPはコンパクト化しやすく、光の反射効率や耐久性に優れているとされる。また、JVCがホーム用に採用している「D-ILA(3板式反射液晶)」は、明るい画像を作りやすいことが特長である。
なお、プロジェクター選びで見落とされがちなのは「静音」だろう。ランプの冷却ファンが発する騒音は、映画鑑賞はもとより、会議やプレゼンなどでも気になるケースがある。最近では静音モードなどを搭載したモデルもあり、忘れずにチェックしたいポイントといえる。
<<前へ | 次へ>>