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2011.09.10 (シャニム36号掲載)

本田雅一の“先取り”家電インフォ!連載5

9月2日
欧州最大の家電展示会「IFA」開催
注目の東芝

「大画面裸眼3Dテレビ」

本田雅一の“先取り”家電インフォ!

フリージャーナリスト
本田雅一
http://blogs.itmedia.co.jp/honda

 
 デジタル家電の業界は、地上デジタル放送の終了という大きなイベントを終え、新たなるフェイズへと向かい始めた。毎年、900〜1000万台がコンスタントに売れてきたテレビが、このイベントで倍以上にまで需要が膨らんでいたのだから、当然、その反動は起こるに違いない。

 とはいえ、それは各社とも織り込み済み。“地デジ後”を漫然と迎えているメーカーはどこにもない。地デジ後、一時的に販売量に大きな谷ができることを前提に、どのような製品を提供するか、各社とも策を講じてきている。

 

 

新型BDレコーダーが相次ぎ登場

 まず、地デジ後にピークを迎えるのがブルーレイレコーダーだ。事前の通知があったとはいえ、アナログチューナーのテレビが映らなくなることは把握していても、同時にビデオデッキまでとなると、そこまでの想像力を働かすことができない場合もある。

 あるメーカーにブルーレイレコーダーの7月出荷実績をたずねてみたところ、昨年比で300%を超える販売実績だったという。各社とも今年後半から来年前半にかけては、ブルーレイレコーダーに対してかなり強気の予想をしている。テレビの買い換えが進んだ後は、録画機の需要があるからだ。

 もちろん、メーカーとしてもこの需要増を織り込んで製品開発を行なっている。ブルーレイレコーダーの低価格化はテレビと同様に激しいが、中位以下のモデルを充実させ、地デジへの移行需要を取り込む一方、この需要期に合わせて従来にはない高性能モデルや高機能モデルも登場している。

 すでにパナソニックが実勢価格で35万円を超える高級機を発表している。大変に素晴らしい音と映像なのだが、高品位な最上位モデルとは異なる方向に進化させたモデルとして、ソニーはスカバー!HDチューナー内蔵モデルを用意した。単にチューナーを内蔵するだけでなく、多チャンネルに対応したインテリジェントな録画システムとしているところがポイントだ。

 さらに東芝はCELL REGZAで培った全チャンネル録画システム「タイムシフトマシン」の機能を内包し、さらにネットワークを通じてタブレット端末やスマートフォンに番組を“中継”する機能を持つそうだ。もちろん、ブルーレイレコーダーとしても機能する。

 テレビに関しても、高付加価値モデルと普及型モデル、市場の二分化が予想されているが、ブルーレイレコーダーはその傾向がさらに強い。 今年後半に向け、各社全力投球。もし高品位なブルーレイレコーダーがほしいと思うのであれば、今年の年末商戦はまさに買い換えにピッタリのタイミングだ。

ディーガのプレミアムモデル「DMR-BZT9000」

 

注目のIFA2011は9月2日開催

 さて、このコラムが掲載されるタイミングでは、ドイツ・ベルリンで年末に向けた家電製品が一堂に会する「IFA2011」が開催される(9月2日〜7日)。執筆時点では、もちろん何ら発表が行なわれていない状況だが、いくつかの分かっていることがあるので、少しばかり先取り情報として記しておこう。

 今年年末に向け、東芝とシャープは4K2K、すなわち従来のフルHDの縦横2倍の解像度を持つ高精細な液晶テレビを発売する計画だといわれている。東芝は2011年1月の時点で発売を予告しており、IFAで製品がお披露目となるのは確実だろう。

 東芝得意の半導体技術で、フルHDの映像を4K2Kに超解像処理する。また電気的にオン/オフが行なえる液体レンズを用いたグラスレス3D表示にも対応する。1月の時点では、まだ完成度は低いといわざるを得なかったが、半年以上の時間をかけ、かなりよい仕上がりになっているとの噂だけに期待したい。

 一方、IFA全体の話題の中で、私がもっとも注目しているのはソニーだ。ソニーにとって、今年は勝負の年だ。映像、音楽、ゲームといったコンテンツを、クラウドを用いて配信し、ユーザーが撮影した写真、動画、それに地図上の情報などもクラウドに取り込んで共有する仕組みを、ネットワークサービスとして提供する。

 こう書くと難しく聞こえるかもしれないが、5月に発表した2種類のSony Tabletはもちろん、VAIO、ウォークマン、スマートフォン、テレビ、AVアンプ、ブルーレイプレーヤ/レコーダ、デジタルカメラなど、ソニーのあらゆる主要製品に、ソニーのオンラインサービスを簡単に利用するための仕組みが組み込まれる。

 従来、このようなオンラインサービスは、個々に便利なもの、興味深いものはあったが、1つのユーザーIDで統合的にサービス提供されたものはなかった。アップルのiTunesストアが数少ない例といえるが、iTunesストアをオーディオ機器や映像機器と連携させるには、Apple TVなどの機器を外部機器として接続する必要がある上、機能によってはパソコンの介在も必須となる。

東芝は大画面裸眼3Dテレビの市販まで秒読みか!?
(写真はCES2011)

 

新サービスに命運かけるソニー

 ソニーは、それらを“クラウド型サービス”という器の中に収め、エレクトロニクス製品全体でコンテンツを相互に活用しようというのだ。例えば同じIDが登録されている機器ならば、リビングのテレビでも、寝室のブルーレイプレーヤーでも、同じ映画を楽しめるといった具合だ。

 日本では音楽配信サービスのミュージック・アンリミテッドが、やや遅れての開始となる可能性がある。とはいえ、ここまでソニーは2年をかけて、今回の発表準備を進めてきた。同社の命運をかけた戦略として、IFAでの発表は意外性もある興味深いものとなるだろう。

 さて、最後に私個人が今年年末に欲しいものとして注目しているカテゴリーがあるので、その話をしておきたい。それは「家庭向けフロントプロジェクター」だ。なぜ今さらプロジェクター? といぶかしむ読者もいるだろうが、実は今の時代にマッチしている。

 大画面で見たい映像は、映画、コンサート、スポーツなどだが、映画などは50インチテレビでも、今ひとつ迫力に欠ける。一方でバラエティやニュースは大画面でも小画面でも、あまり体験の質は変わらない。

 省電力に注目が集まっている今、あえて電力消費の小さな小画面のテレビを選んだ上で、お片付け容易なお手軽プロジェクターでプレミアム映像を楽しむというのは、なかなか悪くない選択肢ではないだろうか。これは筆者自身が実践している使い分けでもある。

 それに今年後半に投入される各社のプロジェクターは、3D映像の表示品位が昨年モデルに比べ、圧倒的に改善されている。テレビ放送は少ないが、ブルーレイの3D映画ソフトは少しづつ増えていることを考えると、映画好きにはこの点もとても魅力的だ。IFAにはいくつか新しいものが並ぶという。

 趣味として映像を楽しむのであれば、映像のタイプごとにメリハリを付けた楽しみ方をしてみてはいかがだろうか?

 

iCloudとクラウドメディアの夜明け

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