ビジネスに役立つ情報サイト。 ヤマダ電機法人営業部と連動し、中小企業に役立つ経営情報やIT情報を発信します。

RSSfeed

2008.11.10 (シャニム25号掲載)

覚えておいて損はしない!一手間かけるだけの節税ノウハウ

中小企業のための節税基礎講座

覚えておいて損はしない
一手間かけるだけの節税ノウハウ

日新税理士事務所所長
税理士・行政書士・大阪工業大学非常勤講師(会計学)
桐元久佳
http://www.ns-1.biz/

◆◆◆その1◆◆◆
固定資産台帳を見直して節税

 ある日のK税理士とA社長との会話です。
 K税理士「社長の会社は、機械をたくさん持っていらっしゃいますが、すべて稼動させていますか?」
 A社長「いや、この機械は廃棄しようと思っています」
 K税理士「では、さっそく有姿除却をして、はずしましょう」
 これで、なぜ節税できるのでしょうか?

—1.除却損の計上による節税
有姿除却とは?
 有姿除却とは、使用を廃止した固定資産の場合、解撤、破砕、廃棄等を行なっていなくても、すでに固定資産の使用価値が尽きていることが明確なものは、その現状有姿のまま除却処理をする方法です。節税をする上で、資金の支出がともなわないため、とても有効です。

対象となる固定資産
 有姿除却の対象となる固定資産は、下記の通りです(法人税法基本通達7-7-2)。
 ①その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産
 ②特定製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産中止により、将来使用される可能性のほとんどないことがその後の状況等からみて明らかなもの

損金の額に算入することができる金額

 除却損=当該資産の帳簿価額−処分見込額

 なお、通達により除却損として損金算入できる金額は、あくまでも除却対象資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額に限られています。すでに解撤、破砕、廃棄等に着手している場合を除き、その廃棄等に要する費用をあらかじめ見積もり、これをその処分見込価額から控除して除却損の額を計算することは原則として認められません。

使用廃止後の転用
 税務上問題となるのは、使用廃止(有姿除却)後、本当に使用を廃止したか否かです。使用を廃止した固定資産を、他に転用する可能性があるとしても、その転用後の使用方法が当該資産の本来の用途、用法と全く異なり、経済性が維持できないような極端な用途変更である場合には、上記①の「通常の方法により事業の用に供する可能性」には当たらないものと解されています。

—2.償却資産税の節税
 企業が、その事業に用いることができる機械・器具・工具・備品等を償却資産といいます。毎年1月1日に所有しているに償却資産に対して賦課される税金が償却資産税です。所有する償却資産が多ければ多いほど税金が課税されますので、無駄な設備はどんどん除却して償却資産税を削減していきましょう。
 なおリースで利用している資産については、リース会社が償却資産税を負担するため、企業が負担することはありません。

 有姿除却による損失の計上と償却資産税の削減という観点からもぜひ、「固定資産台帳」をチェックしてください。

◆◆◆その2◆◆◆
車両の買い方を工夫して節税

 次は車両を購入する際、ちょっとした手間だけで節税する方法を紹介しましょう。自動車取得税の計算式は次の通りです。

 ・軽自動車、営業用自動車:自動車の取得価額の3%
 ・自家用自動車:自動車の取得価額の5%(いずれも、取得価額が50万円以下の場合は非課税)

 というように自動車を買ったとき、もらったときは自動車取得税が賦課されます。取得時の価額に対して課税されるということは、自動車購入後に購入した備品には、自動車取得税がかからないわけです。
 ですからメーカーオプションのように、車両製作時に取り付けないといけないようなオプションでない限り、車両納品後に付属品を購入・取り付けをした方が、法人の場合3%削減できるのです。

 例えば車両200万、オプション30万の場合、先に車両のみを購入し、オプション購入を納車後としただけで9000円削減できます。この9000円で少し良いオプションを購入できますよね。

 また、あとから買い足した部品代は、法人の場合は損金に算入できます。付属品を最初に付けて買ってしまうと、取得価額に含めて減価償却しなければなりません。黒字決算の会社の場合、早く損金にできる方が節税になります。10万円以下の部品は全額損金に、10万円以上20万円未満の場合は3年で償却します。なお年間300万までなら青色申告の中小企業者の場合、一括で損金算入できます。

◆◆◆その3◆◆◆
印紙税の節税
 印紙税というのは文書にかかってくる税金です。つまり、文書以外の意思伝達ツール、つまり、メール文書には印紙税がかかりません。
 最近は、メールやEDIを使って受発注を行なう企業も増えてきました。メールですましてしまえば印紙を貼る文書もないため、結果的に印紙税が節約できます。なお、メールは、そのままでは正式な契約文書にはなりません。法律上は、メールはメモ程度のものとして取り扱われます。

 でも、お互いの意思で売買契約が成立しているならば、その確 認手段としてメールで構わない場合に有効です。売買基本合意書を作成し、単価はメールで確認とすれば印紙税を削減できます。
 なお、そのメールを印刷して「署名、押印、原本と相違ないことの証明」など記述すると、文書による売買契約書となり、印紙を貼らなければなりませんのでご注意を!

 また、領収書に貼る印紙は受け取った金額に比例しておらず、段階的に決められています。つまり、領収書を分割して1枚当たりの領収書の記載金額を少なくすれば実質的に節税できる場合があります。
 例えば1100万円の金額の領収書はそのままでは4000円の印紙を貼らなければなりません。しかし、これを1000万円と100万円に分ければ、印紙代はそれぞれ2000円と200円になり、合計して2200円。最初に比べると1800円の節税になります。

 さらに3万円未満の場合は非課税なので、30万円の取引を11回に分けて1回当たり3万円未満とすれば、印紙を貼らなくてすみます。分割する方法は、金額が大きくなるほど効果があります。分割しても差し支えないような取引(先)は小分けして、印紙税を削減しましょう。

 ※非課税限度額
 領収書/3万円未満
 約束手形、為替手形/10万円未満
 請負契約書・1万円未満

 ここでポイントは契約書や領収書には金額を記載しますが、その際に消費税を区分記載することです。消費税を記載金額に含めると、消費税込みの総額で判断することになり、印紙税を払わなければならない場合があります。例えば、29800円と消費税1490円の場合、区分記載しないと総額が31,290円となり印紙が必要となります。

 

<< 記事一覧に戻る

 

goods_icon.gif