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2010.11.30 (シャニム33号掲載)

本田雅一の“先取り”家電インフォ!連載3

テレビのネットワーク機能に革命!?
本当に楽しい「レグザAppsコネクト」
本田雅一の“先取り”家電インフォ!

フリージャーナリスト
本田雅一
http://blogs.itmedia.co.jp/honda

 

 

 長らくデジタル家電には、コンピュータネットワークに接続するためのLAN端子が搭載されてきた。だが、実際にネットワーク接続されている割合は、とても少ないのが実情だ。

 ある調査によると、08年に販売されたLAN端子付きテレビは、10%しかネットワークに接続されていなかった。09年に販売されたテレビでも14%ほど。なぜデジタル家電はネットワークに、接続されないのか?

 理由はいくつかあると思うが、従来のデジタル家電の多くは、“ネットワークに接続すること”で、どれだけホームエンターテイメントを楽しく演出できるのか? という視点に欠けていた。これが一番大きな理由ではないかと思う。ネットワーク機能の使い方がどこか間違っていたからではないのか。そう感じていた筆者が、思わず膝を打ったのが東芝の「レグザAppsコネクト」である。

 レグザAppsコネクトは、ホームエンターテイメントの中心であるテレビを中核に、多種多様なコンテンツをより深く楽しむための利用スタイルを提案する、新しいネットワークサービスだ。「Apps」と複数形で語られているように、今後、様々なアイディアを盛り込んだサービスと、サービスを使いこなすためのアプリケーションが提供されていく。

 しかも、レグザAppsコネクトの素敵なところは、サービス開始直後から、膨大な数の潜在ユーザーがいること。ネットワークサービスはユーザーが多いほど、より楽しく便利に使える。では具体的にどんなサービス・機能なのか。第一弾のアプリケーション「RZコマンダー」を紹介しながら、その奥深さを紹介しよう。
 

 

東芝の「先見の明」

 RZコマンダーはアップルのiOS、すなわちiPod touch、iPad、iPhoneなどの上で動作するアプリケーションとして無償配布されている(今後、Android携帯、Windowsパソコン用も配布予定)。コマンダーという名前のとおり、無線LANとタッチパネルを活用した多機能リモコンである。

 リモコンといっても、そこはユーザーインターフェイスのよいiOSを用いているため、望みのシーンに素早く移動できるタイムバーサーチ(指先をスライドするだけで目の前のシーンが素早く変わっていく!これは快適だ)、指先のジェスチャーによる操作などが行なえ、LANにつなげている新CELLレグザ、レグザブルーレイに加え“ネットdeナビ”に対応したすべてのRDシリーズ(東芝製レコーダー)の操作が行なえる。

 アナログチューナーしか搭載していないRDを含め、膨大な数のユーザーが、この機能の恩恵を受けられる。8年以上も前の製品をサポートする最新機能というのは、家電業界始まって以来の画期的なこと。パソコンではよくあるが、デジタル家電でこうしたことができたのは、LANを家電に活かす種まきを東芝がこれまでにしっかり行なってきたからだ。

 東芝は家電用のリモコンでは操作しづらい機能を、パソコンを活用することで解決する手段を長年提供してきた。番組チャプターを編集し、名前を付けて保存する。キーボードのあるパソコンをRDシリーズの一部のように使うためにネットdeナビを実装したのだ。

 この先見性が今、iPhoneやiPadに代表されるスマートデバイスの登場で再びクローズアップされ、より使いやすく幅広いユーザーが使える機能として生まれ変わったわけだ。

 

「タグリストシェア」とは?

 操作のレスポンスがとてもよく、洗練された使いやすさを提供してくれるRZコマンダーが、さらにもう一歩踏み込んで新しい可能性を示しているのが「タグリストシェア」という機能だ。

 前述のように東芝伝統のRDシリーズは、テレビ番組のタイトルやチャプター位置、そのチャプターがなぜ打たれたのか? といった背景情報を重視して、文字で様々な名前を付けられるようになっている。

 “タグ”とはチャプターに付ける名札だと考えればいい。1つの番組に複数チャプターを振り、そこにタグを付けると、あとから見返す際、素早く目的の場所へと移動できる。

 RZコマンダーでは、さらにこのタグのリストをインターネット上のサーバーにアップロードできるのだ。例えばスポーツ番組の中に「○○のシュート、あと一歩! 惜しい!」なんてタグがあったら、「よし、そこを見てみようか?」と思うだろうし、「観客席の中に美女発見!」と書かれていたら、思わず見ずにはいられないという人もいると思う。

 映画でも特定のシーンを探して「このシーン、実は有名俳優がカメオ出演してるんだけど、気付いた?」といったタグを付けておけば、他の映画ファンが“どれどれ”と見返すきっかけにもなる。

 さらに、そうした楽しみを拡張するのが「リタグ」だ。電子メールの返信などに使う「RE:」をイメージしており、サーバー上でシェアされているタグに対して、返信(コメント)付けを行なう機能。特定のタグの下にある画面を呼び出すと、そこには掲示板のようにいろいろな人のコメントが連なる。同じ番組が好きな人と、同じチャプター位置に関連した話題で盛り上がれるわけだ。

 ここで活きるのが“過去のRDユーザーも使える”という点。タグリストシェアはネットdeナビユーザー全員が使えるわけではなく、タグに名前を付けられるようになったRD-X3以降での対応になるが、それにしても発売は2002年末のこと。熱心なファンの多いRDユーザーがこの機能を使いこなせば、きっと楽しいコミュニティが形成されるに違いない。

 あらかじめ“仕込んでおいた”機能をユーザーが使わされるのではなく、ユーザー自身で楽しみを発見し、発展させていけるわけだ。

 

ツイッター、Mixiとの連携に期待

 レグザAppsコネクトのよさは、本当にテレビとテレビ番組を楽しみ、それを骨までしゃぶり尽くしたいというユーザーに、その手段の幅をインターネットという大海にまで拡げていること。これこそが、デジタル家電をLANにつないでもらうために必要な考え方ではないだろうか。

 東芝によると、レグザAppsコネクトは第3弾までの企画が固まり、順次アプリケーションの開発を続けていくようだ。対応機種も拡がり、CELL以外のレグザが搭載するUSB録画機能にも対応していくという。

 個人的にはツイッターやmixiといった、ソーシャル・ネットワーク・サービスとの連携にも期待したい。

 インターネットサービスと結びつく場合、どうしてもその最初期にはユーザー数が少ないことに悩むが、その心配がないレグザAppsコネクトは、デジタル家電のネットワーク機能に革命を起こすかもしれない。今後の発展に目が離せない新コンセプト、新アプローチといえるだろう。

 レグザAppsコネクトの例は、新しいホームエンターテイメント時代のスタート地点でしかない。私は昨今、講演などでよく「異なるジャンルの商品やサービスの機能を切り取り、縫い合わせることで、新しい魅力を持つ製品を作ろう」と話している。

 以前ならそれは単なる夢物語だった。しかし今は違う。ネットワークでハードウェア、ソフトウェア、サービスを簡単につなげるようになってきた。アイディアと技術の積み重ねが、来年、再来年と、まったく新しい機能の提案を呼び込むだろう。

 ハードウェア、ソフトウェア、そしてサービス。それぞれの進歩・進化の歩みが遅くなっていることに失望を感じている読者もいるだろうが、まだまだこれからだ。これからの数年、見たことのないような面白い世界が待っているに違いない。

 

iPhone

▲写真 – レグザAppsコネクト
[ 左上 ] 新CELLレグザ、レグザブルーレイなど複数の機器を操作できる
[ 右上 ] 指先で制御するジェスチャー操作のガイド画面
[ 左下 ] デジタル家電の新たな可能性を示した「タグリストシェア」機能
[ 右下 ] コメントを書き込める「リタグ」機能も要チェックだ
 

 

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